アイデンティティを統合すると、進む方向が分かり、パワーが出る。

アイデンティティを統合すると、進む方向が分かり、パワーが出る。

Pocket

望む未来や目標を明確にするためには、行動や結果(Doing)だけではなく、あり方・自己イメージ(Being)と感情・体感(Feeling)も明確にしておくと良い!というお話を、過去の記事で書きました。

今日のお話は、その記事の続き。あり方・自己イメージ(Being)についてのお話を、私自身のエピソードを題材にお伝えします。

自己イメージ・アイデンティティ(自分は何者として生きていきたいのか?)が分散すると、パフォーマンスが落ちる。

私は、コーチングセラピーの両方を現在提供しているのですが、コーチング系セッション・セラピー系セッションの両方をやっているうちに、自分が進みたい方向が今一つ見えず、パワー・やる気が出ないという場面がたびたび出てくるようになって困った時期がありました。

「うーん、何をやっても釈然としないなあ。何だかやる気も出ないし、、、」という感じを度々抱くようになったのですね。

この時に私自身の中で起こっていたのが、「アイデンティティ分散」と呼ばれる現象でした。

「自分はコーチと呼べば良いのか?セラピストと呼べば良いのか?」という自己イメージ・アイデンティティ上の迷いですね。「自分が何者として生きていきたいのか?」が明確でない状態とも言えます。

この状態、人のパフォーマンスにはけっこう大きなマイナスをもたらします。

自分が何者として生きていきたいのかが分からないが故に、何をすればいいのかにいつも迷いが出て、パワー・やる気も出ないということにつながりやすいのです。

私自身、「アイデンティティが分散している!」と気付いた時には、「どおりでパワーが出ないわけだ、、、」としみじみ納得したのを覚えています。

分散したアイデンティティは、統合しよう。

気付いた以上、放っておくわけにはいきません。

アイデンティティが分散していることに気付いた直後に手をつけたのが「アイデンティティの統合」でした。

私のケースで言えば、「コーチ」「セラピスト」という言葉を超えて、自分は何者か?という定義を創ること。

アイデンティティの統合を行う時には、自分の強み・好み、クライアントに得てもらいたいことなどを細かく列挙していくと、インスピレーションを得やすいです。

「人の思考の抽象化を助けることは上手だ」
「コーチングでも、セラピーでも、クライアントの創造性が喚起されて、悩みが消し飛ぶ瞬間を見るのが好き」
「二律背反・葛藤を解消するツール・スキルを持っている」
「単に元気になりました、一時的にやる気が出ました、よりも大きなものをクライアントに得てもらいたい」

などなど、沢山(本当に沢山です!)の言葉を並べていくことで、

「自分は何者か?」という問いへの答えを出すべく、ああでもない、こうでもない、、、と考えをめぐらせます。

やっているうちにひらめいたのが、

「ああ、私は、『新しい自分らしさを創造するサポート』をする人でありたいんだ!」

ということでした。

「コーチかセラピストか?」という迷いが消えるとともに、しばらく感じていた腑に落ちない感じ、モヤモヤも消失。スッキリ爽快!です。

この瞬間、自分の自己イメージ・アイデンティティが、以下のように明確になりました。「私は、新しい自分らしさを創造するサポートをする人だ!」というのが中心となり「コーチ」「セラピスト」というのは、サポートを行うための一応の肩書き、に変わったのですね。

identity

このように、分散したアイデンティティを包含する、より上位のアイデンティティを創造することが、「アイデンティティの統合」です。

アイデンティティが統合されると、進むべき方向が見え、パワーが出る!

分散されていたアイデンティティがスマートに統合されると、その後で、自分が進むべき方向がはっきり見えたり、失われていたパワーを取り戻すような感覚が出てきたりすることが多いです(そうならない場合は、新しいアイデンティティに何かしっくり来ない、ピンと来ないものを潜在的に感じている可能性を疑ったほうが良いです)。

私のケースで言えば、『新しい自分らしさを創造するサポート』という言葉が出てきた直後から、以下のようなことをやりたい!という思いが出てくるようになりました。

・コーチングにせよセラピーにせよ、創造的な解決を重視しよう
・情報発信も、読んでくださる方々が、新しい自分らしさを創造することのサポートになるように極力努めよう。
・今後ワークショップなどをやる時も、人の創造性が引き出されるようなものを企画しよう

などなど。ここには書けませんが、いろいろな「こんなことをやってみたい!」というアイデアも出てきました(^^)

あれこれ手がけてどれも中途半端、という人は、アイデンティティ分散を疑ってみよう。

この記事をお読みの方で、以下のような状態に陥っている方は、「アイデンティティ分散」を疑ってみると良いでしょう。

・いろいろな種類の仕事を手掛けて、どれも中途半端になっている感じがする、
・やりたいことは沢山あるけど、並べてみるとどうも散漫だ。

このような状態に陥っている方々は、「アイデンティティ統合」を行うことで、自分がやりたいこと、やるべきことがスッキリ整理できたり、散漫になっていたパワー・やる気を、大事なテーマに集中できるようになる!という効果が期待できます。

慣れていない方の場合は、きちんとしたスキルを持ったコーチ・セラピストなどにサポートを依頼するのが一番手っ取り早いですが、ご自身でやってみたい!という方は、過去記事も参考にしながら、行動(Doing)レベルと、自己イメージ・アイデンティティ(Being)レベルで自分のやっていることを書き出して並べてみると、統合のためのヒントが得られるかもしれません。

参考記事:
目標・やりたいことはDoing、Being、Feelingの3つに分けて明確化しよう。
コーチングは、結局のところ何を変えるものなのか?

Pocket

SNSでもご購読できます。