前回の記事では、本当に力・パワーをもたらしてくれるようなアファメーションは、「自分が抱えている沢山の思いをぎゅっと凝縮して束ねて、短い言葉にまとめたもの」です!という内容や、アファメーション作りはキャッチコピーづくりに似ている!という内容、また強力なアファメーションを作る具体的なやり方を書かせて頂きました。
今回の記事では、実際に、自分にすごくしっくりくる、力を本当にもたらしてくれるアファメーションを発見されたクライアントの方の例をお伝えします。
どんな感じで言葉を探すのか?どのくらいアイデアを出すものなのか?といった点で参考になれば幸いです。ダメでもいいからアイデアを沢山出す!という点では、特に参考になるのではないでしょうか。
※クライアントの方のご許可を得て掲載しています
「自己犠牲をやめる」をアファメーションにする。
今回のクライアントの方(以下Aさん)のお悩みは、自己犠牲ではない生き方をしたい、とお望みの方でした。これまでに複数回のセッションを経験されており、今回のセッションで、前向きなアファメーションを作ることをご提案させて頂きました。
最初に私がお願いしたのは、
「自己犠牲をやめた後、代わりにどんな生き方ができたら嬉しいかを、とにかく沢山、ダメなアイデアでも、ぶつ切りの単語でもいいから言葉にしてみましょう!」
ということでした。
最初の頃に出てきたアイデアは、以下のような感じでした。
「流れに乗って動き回る」「楽しい」「嬉しい、喜んでいる」「自分にとって心地よい」「幸せ」「愛」「平和」「葛藤がない」「自由な空間でのびのび」「誰もが対等な感じ」
さらにアイデア出しをお願いすると、以下のような言葉が出てきました。
「草」「田んぼ」「大地」「土地」「緑」「夢」「雲」「自然」「水」「土」「風」「雲のように」「太陽のように」「光のように」
何か、自然につながるようなニュアンスを求めている?そんな感じです。このようなぶつ切りの単語でも、自分が求める言葉を見つけるキッカケになることがありますので、どんどん浮かんだ言葉を出して頂きました。
ですが、このあたりから出てくる言葉の雰囲気が少し変わってきます。
「睡眠、布団」「特別な自分だけの空間」「自分の部屋」「自分の空間」「自分の場所」「花」「平衡」「並行」「布団にくるまれている感じ」「繭の中にいる感じ」「やさしい感じ」「癒される感じ」「溶けていくような感じ」
「空間」という言葉が重要?そんな印象が出てきました。ここでこちらから、「空間という意味合いを持たせた、別の言葉を出して行ってみましょう!」と提案。すると、以下のような言葉が出てきました。
「羽の中にいるような」「綿、ふんわり」「お母さんのおなかの中にいたような」「嬉しい感じ」「ふんわり」「あったかい感じ」「自由な自分の空間」「自由な自分の空間を楽しむ」
ここで、「自由な自分の空間を楽しむ」という、まとまりを持った言葉がでてきました。でも、これに対してAさんがおっしゃったのは、
「クリエイティブなことがしたいんですよね〜」
というお言葉。こうした言葉が出てくる場合は、まだピンと来る言葉ではない、ということです。具体的には、「楽しむ」という言葉から、クリエイティブな印象をあまり感じない、、、ということ。そこで、もう少し言葉を練ることにしました。
そして、いくつかさらに言葉を出して頂きました。
「いつくしむ」「やさしい」「つくりだす」「楽しみたい」「喜ぶ」「躍動感」「踊る」
という言葉が。それと同時に、
「そうそう、躍動感・踊るってニュアンスを盛り込みたいんですよね〜」
ということをおっしゃられました。
そこで、「『自由な自分の空間で~~する』という言葉を考えてみてはいかがでしょうか?」と提案させて頂いたところ、間もなく、「表現!そう、表現したいんですよ~。」というお言葉が出てきました。
「自由な自分の空間で表現したい」
という言葉が出来上がりました。ここまで来ればあと一息です。
ここで、一番しっくりくる語順を探して頂くことをお願いしたところ、間もなく、
「自分の空間で自由に表現する」
という言葉が出来上がりました。それと同時に、「うん、この感じ、すごくしっくりきます~」とのお言葉。
電話でのセッションだったのですが、その方の心身の状態が一気に軽くなったことがこちらまで伝わってきました(こうしたセッションをさせて頂く時の醍醐味です)。Aさん自身も、アファメーションの言葉が決まると同時に自分の状態が明らかに変化したことを感じられたようです。
すごくしっくりくる言葉が見つかったところで、自己犠牲でない感じがちゃんとするか?自分の望みを上手く反映できている気がするか?を確認して頂いた結果、これで大丈夫!とのこと。
こうして、アファメーションが完成!となりました。あとは、折に触れてこの言葉を唱えて頂くことで、何らかのインスピレーションが降りてくることでしょう。
最後に
いかがでしたでしょうか。かなり手間をかけてアファメーション作りをしていますが、このくらいやると、すごくパワフルなアファメーションができる、という一例と捉えて頂ければ幸いです。
数えてみると、50個以上の言葉を出して頂いたところで、自分にしっくりくるアファメーションが見つかった、ということになります。アイデアが出づらいケースでも、このくらいの数を出すと、ピン!と来るアイデアの端緒に至ることが多いです。出てきた言葉の中には、終わってみれば関係のない言葉だった、、、というものも多いですが、こうした無駄と思える言葉をきちんと書き出していくのも、本当にしっくりくる言葉を探すコツの一つだったりします。
また、今回Aさんが作られたアファメーション「自分の空間で自由に表現する」は、かなり抽象的なもので、具体性に欠ける!という印象を持たれる方もいらっしゃるかもしれませんが、これはこれでOK、と当方では考えています。というのも、言葉自体が曖昧であっても、強い思いがこもったアファメーションというのは、やがて具体的に当てはまるようなインスピレーションをもたらしてくるものだからです。