プレジデント・オンラインに、すぐにキレる人は、なぜすぐにキレるのか? という記事が掲載されていました。
社会で生きていると、どこかで、すぐにキレる人には遭遇するもの。このタイプの人に悩まされている方はそこそこ多いのではないかと思います。
元の記事では、「キレやすい人がキレやすい理由」を、自己防衛、承認欲求などを切り口に解説しており、その内容はさほど外れてはいないのですが、もう少し大きな枠組みで、「キレやすい人がキレやすい理由」をシンプルに理解することも可能です。
キレやすい人=心身にストレスが溜まっており、その解消手段として、人に怒りをぶつけることが多い人。
まず、キレやすい人というのは、心身に抱えているストレスが大きい人です。身体的には、以下のような特徴が見られることが多いです。
- 呼吸が浅い、荒い
- 身体の緊張が普通の人よりも強い(肩・首・顔・アゴなどに強い緊張感が目立つことも多い)
- (物理的な)視野が狭い(その結果として、思考も近視眼的になりやすい)。
お知り合いの方などで、「なんだかあの人、いつでも微妙に怒っているよね、、、」という印象を感じる人を思い浮かべて頂くと、わかりやすいかもしれません。また、いわゆる「ブラック企業の経営者」なども、同じような特徴を持つ人が多いようです。
このような人は、ストレスで心身がいっぱいいっぱいなものですから、潜在的には「一刻も早くストレスを解消したい!」という欲求を持つもの。
そのストレス解消の手段に選ばれるものは、暴飲暴食・浪費・ギャンブル・趣味に没頭する・物に当たるなど、多数のバリエーションがあるのですが、時として、そのストレス解消の手段として、「人に怒りをぶつけること」を(無意識に)選択する人がいます。このような人が、「人に対してすぐにキレる」という振る舞いをするようになるわけです。
心身がストレスでいっぱいいっぱいになった上で、そのストレスを発散・解消する手段として「人に怒りをぶつける」ことを選択した人が、「すぐにキレる人」となるのですね。
「すぐにキレる人」があなたに怒りをぶつけてきたとしても、ほとんどの場合、それはあなたのせいではない。
「すぐにキレる人」は、ストレスでいっぱいいっぱいの人。ある意味大変な状況にある人とも言えるのですが、それだけに、「サーチ & デストロイ!」的に、人に怒りをぶつけるキッカケを見つけてはキレる、という行動を(本人が意識的にそれを願っていなかったとしても)取りやすいもの。
怒りを発散するキッカケは、どんなものでも良かったりします。報告書に誤字があった、髪型が気に入らない、自分の考えと違うことを言いだした、電車が遅れた、、、などなど。
怒りをぶつけられた側が、「自分に落ち度があったのでは?」と悩んでしまうことも多いのですが、実際のところ、怒りをぶつける側としては、「自分が抱えたストレスを発散できれば、理由は何でも良い!」とばかりに潜在的な欲求を満たしているだけだったりします。
周囲の人がそのような振る舞いに付き合う必要はあるか?と言えば、そんな必要は全くないわけです。ストレスを抱えて大変な人なのかもしれないけれど、そのはけ口として無闇に人に怒りをぶつけるというのは、やはり社会的に歓迎されるべきではありません。
対処方法としては、やはり「距離を置く」ことが一番なのでしょう。台風の時に海辺や川辺に行くことを避けるのと同様、「すぐにキレる人」には近寄らない、というのが一番の知恵なのではないかと思います。
「距離を置く」ことが難しい場合は?
会社の同僚・上司などが「すぐにキレる人」だったりするケースが典型的ですが、その場合は、距離を置くことが難しい場合もあるかもしれません。この場合の対処は、難易度がやはり上がります。
一番根本的な解決になりうるのは、「気負けしないような身体の構え」を身に着ける、ということかと思います。
というのも、「すぐにキレる人」でも、自分よりも強さを感じさせるような人に対しては、怒りをぶつけることを避ける傾向があるのです(逆に、心身が常に萎縮して、弱そうな構えの人は、「すぐにキレる人」のターゲットになりやすいです)。
ハラが座った構え、自然体で堂々とした構えなどを身に着けていくと、少しずつではありますが、「すぐにキレる人」に対して気負けせず、理不尽な怒りに反論したり、(究極的には)あなたに対して怒りをぶつけて来ること自体を減らしたりすることもできるようになります。