「自信を持ちたい!」というテーマは、コーチングやセラピーで良く取り扱われるものの一つ。私がやっているセッションでも、このテーマでご依頼を頂くことはよくあります。
最近、このテーマについて思うようになってきたのが、「そもそも『自信がある』『自信がない』というのは具体的にはどういうことなのか?を突っ込んで説明している人って、あまりいないなあ~。」ということでした。
そこで、今回の記事では、「自信がある」「自信がない」とは、いったいどういうことなのか?を、具体的に要素分解して解説してみます。
読んでみると、「当たり前っちゃ当たり前」な内容(笑)なのですが、この説明をしている人って案外少ない(いないかも?)のですよね。この内容をきっちり理解しておくと、「自信がある」「自信がない」というあいまいな言葉がスッキリ理解できるだけでなく、自分は、今本当に自信があるのか?ないのか?を把握したり、自信がない状態を解消することにも役立ちますよ。
「自信がある・ない」は、1)身体 2)感情・感覚 3)セルフトークのあり方に分けて考えると理解しやすい。
いきなり結論から入りますが、「自信がある」「自信がない」という状態は、下の表のように
1)身体の状態
2)感情(感覚)
3)セルフトーク(頭の中の独り言)のあり方
に分解できます。
表を見れば分かる方もいらっしゃるかと思いますが、一応解説。
身体:
自信がない時は身体は緊張し、無駄な力みが入ります。そわそわ動揺して、「地に足が着かない」状態になったりも。身体が硬くなるだけでなく、呼吸が浅くなったり、視野狭窄が起こったりもします。
これに対して、自信がある状態になるほど、身体はリラックスして自然体に。呼吸も適度に深くなり、動揺することもなく、地に足が着いた感覚も得やすいです。視野狭窄も起こらず、目の視野が比較的広く保てて周囲がはっきり見えやすい状態にもなります。
感情・感覚:
自信がない時は、不安感・恐怖感など、ネガティブで不快な方向に感情が振れます。
ちょっと自信が出てくると、不安感・恐怖感など、不快な感情は残るものの、それに対抗する力強い感覚などが生まれてきます。
本当に自信がある時は、安心感・力強い感じ・自分が大きくなったような感じ、などを感じる方が多いです。
セルフトーク:
自信がない時は、頭の中のセルフトークは「自分にはできない」「失敗したらどうしよう」など、ネガティブなものばかり。
自信が少し出てくると、「とりあえずやってみよう」「できるかもしれない」など、前向きなものが増えてきますし、行動を起こすこともある程度可能になってきます。「自分にポジティブな言葉をかけながら、何とか事に当たることができる」というのは、ギリギリ自信がある状態、と言っていいでしょう。
本当に自信がある時は、自分にできるか?できないか?というテーマについてのセルフトークは、ほとんど発生しません。ただ事に当たったり、ただ行動を起こすだけです。例えば、このブログをここまで読めている人は、「自分は日本語を読めるか?」というテーマで思い悩んだりしませんよね。文を見て読む、ただそれだけです。
本当に自信があるテーマについては、「自信があるかどうか」というテーマ自体が頭の中のセルフトークとして上ってこないのです。
「自信があるかないかについて、頭の中で考えることもなく、ただ事に当たることができる、行動できる」というのが、本当に自信がある状態!と理解しておくと良いでしょう。
自分が「100%自信がある時」の身体の状態・感覚を把握しておこう。
自分が100%自信を持って物事に当たっている時に、自分がどんな状態になっているか?を把握しておくことは、自分の心身の状態を管理したり、無意識に自信がなくて縮こまっている状態に早めに気付き、そこから抜け出すのに役立ちます。
以下のような手順を踏むと、自分が100%自信を持っている時の状態を細かく把握することができます。
1)自分が得意なことなど、100%自信を持って何かをしていた時のことを思い返してみる。
2)思い返すことが出来たら、その時の身体の状態・感情・感覚を感じてみる。
自信が本当にある時の身体・感情・感覚の状態は、人によりある程度個人差があります。例えば私自身の場合、自信が本当にある時は、以下のようになります。
身体の状態:自然にハラが座り、地に足が着き、周囲がハッキリと見渡せる状態。
感情・感覚:安心感と、力強さと、自分がちょっと大きくなったような感覚
あなたが100%自信を持っている時、自分の身体・感情・感覚がどんな状態になっているのか?一度把握しておきましょう!
自信がない時の突破口は、身体。とにかくリラックスさせよう!
それでは、自信がない時=身体は緊張し、不快な感情が渦巻き、ネガティブなセルフトークがいろいろと出てくるような時には、どうしたら良いのでしょうか?
一番手っ取り早くで効果が出やすいのは、とにかく身体をリラックスさせること。身体がリラックスしていくほど、感情・感覚・セルフトークも良い方向に向かいやすいです。具体的な方法についてはまた別の記事に譲りたいと思いますが、以下の3点を目標にしながら身体をリラックスさせていくと、変化を出しやすいでしょう。
1)全身の筋肉の緊張が緩和されること
2)呼吸が深くなる(無理やり深くする、ではなく、胸やお腹がリラックスした結果として自然と深くなる)こと
3)目の前がはっきり見え、視野が広くなること
ちなみに、世間で良く紹介されている「ポジティブな言葉を自分にかける」という方法は、単独で使うと効果が乏しいことも多いのですが、身体をリラックスさせることをやりながら、ポジティブな言葉を自分にかけていくと、ある程度効果が出やすくなります。
この場合は、身体がリラックスすると同時に、自分にかけている言葉に伴う「必死さ」「切迫感」などが薄れていき、最終的には自分にポジティブな言葉をかける必要性も感じなくなってきます。心身の根本が「自信があるモード」に変わってきた結果、必死に自分を説得しなくても良くなる!というわけです。