数年前から流行している「マインドフルネス」。
マインドフルネスとは、
「今という瞬間に、余計な判断を加えず、意識して注意を向けること」
「今・ここに集中すること」
この状態にあることを日々心がけていくことで、スポーツ・仕事におけるパフォーマンスが高くなる、疲れにくくなる、ストレス耐性が高くなる、などの効能があるとされています。
でも、マインドフルネスのトレーニングに取り組んだ上で、実際に効果が出たかどうか?は、かなり分かれる模様。トレーニングがはまって効能を感じられた人と、今ひとつ効果を感じられない、ピンと来ない!という人が混在しているのが実情のようです。
なぜ人により効能が分かれるのか?
私見ですが、「何をどうすればマインドフルな状態・今ここに意識を向けた状態になるのか」の説明がイマイチ具体的でないことに原因の一端があるように思います。
そこで、今回は、「何をどうすれば、マインドフルな状態、今・ここに集中できる状態を作り出すことができるのか?」を、一段深く解説してみたいと思います。
マインドフルネスを支えるのは「身体の状態」。
マインドフルネスは、意識の状態として語られることが多いですが、実際のところ、その意識状態を作り出すベースとなるのは身体の状態です。
身体の状態を整えることができれば、マインドフルネスは勝手に達成されます。極端な話、身体の状態を整えることができるなら、瞑想すら必要ありません。
では、どのように身体の状態を整えれば良いのか?3つの条件があります。
この3つの条件が達成できれば、手法は何でも良いです。
全身のリラックス:
全身がリラックスし、ムダな力が入らないこと。動いている時は、動作がスムーズであり、余計な力みが少ないこと。
深い呼吸:
無駄に呼吸を詰めず、深い呼吸ができていること。アスリートなどの場合は「その競技動作中で適切な範囲で」呼吸を深くできること。日常生活では、雑事やアクシデントに出会っても、深い呼吸を維持できること。
なお、呼吸を意識的に深く『する』のは、マインドフルネスという意味では、世間で言われているほどの効果はありません。いろいろな取り組みを積み重ねた結果として、呼吸が深く『なる』、呼吸が深い状態が『勝手に維持される』のが理想です。
広い視野:
目のフォーカスが狭くなったり、(雑念に気を取られて)目の前で起こっていることから意識が離れたりすることなく、広い視野で今ここで起こっていることに注意を向けられること。広い視野を保てている時には、特に、主観的なレベルで「今ここに意識を集中している」実感が得られやすいです。
なお、上記3つは、お互いに密接に関連しています。
身体にムダな力みが入ることで、呼吸も浅くなり、目のフォーカスも狭くなったり。
目のフォーカスが広くなることで、身体の余計な力みが一段抜け、呼吸も深くなったり。
このように、3要素のひとつが改善することが、他の要素にも良い影響を及ぼしたり、ひとつが悪い状態になることが、他の要素にも悪い影響を及ぼしたりする、、、という関係があります。
3条件が非常に高まった状態=「ゾーン」状態を、自分にとっての当たり前にすることも可能。
スポーツの世界などで、「ゾーン」を言われるものがあります。「ゾーンに入った」なんて言いますよね。何故か分からないけれど、すごく落ち着いている心境で、周囲で起こっていることが冷静に観察できながら、すごく高いパフォーマンスが発揮できた!だけど、その理由が分からない、、、なんていう時に使われる言葉です。
実は、この「ゾーン」も、身体のゆるみ、呼吸の深さ、広い視野の3つが、(たまたま)一時的に非常に高いレベルで達成され、その結果として普段の自分と比べて非常に高いパフォーマンスが発揮できた状態のことを指します。
なので、身体のゆるみ、呼吸の深さ、広い視野の3つを目指したトレーニングを行っていくことで、今の自分にとって「ゾーン」に入らないと達成できないレベルのパフォーマンスを、いつでも発揮できるような自分を一歩ずつ育てていくことも可能です。
別サイトでご紹介している心と身体の統合セラピーでは、マインドフルネスのトレーニングを行っているけど、今一つピンと来ない、効果が出ない、、、という方のサポートも可能です。ご興味ある方は一度お問い合わせください。