コーチングは、結局のところ何を変えるものなのか?

コーチングは、結局のところ何を変えるものなのか?

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コーチングなどで、制限のない未来や、できるだけ大きな目標を立てるのは、それを達成すること自体が目的ではない!という内容の記事を、先日書きました(リンク)。

そのお話の続きです。

コーチングは、結局のところ何を変えるものなのか?の全体像を、モデルとして描いてみました。

世間で行われているコーチングでは「目標を達成すること」を目的に掲げるものも多いですが(かなり無理があり、デメリットも多いモデルです)、ここでご紹介しているのは「目標や、制限のない未来を思い描くのは、自分が良い方向に変わるためのキッカケ作り・方便でしかない」というモデルです。

1)今の私を起点に、まずは制限のない未来を描いてみる。

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今の私を「私1.0」としてみましょう。今の人生に満足している部分もあれば、不満な部分もあるのが普通でしょう。

まず最初にやって頂くのは、「制限のない未来」を想像・妄想してもらうこと。できるかどうかは全く考えなくて良いです。また、自分が本当にやりたいことなのか?という点も、あまり気にしなくて良いです。

これを、「制限のない未来1.0」とします。

2)抵抗・葛藤・認知不協和が出てくる。

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制限のない未来を描いて、前に進もうとすると、今の自分を形作っている記憶・性格・信念・自己イメージなどが、抵抗・葛藤・認知不協和を何らかの形で引き起こします。

思い描いた未来と、今の自分の間にギャップが大きいほど、抵抗・葛藤・認知不協和は強くなります。

この抵抗・葛藤・認知不協和を解消するのが次のステップです。

3)私2.0が生まれ、制限のない未来2.0が生まれる。

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抵抗・葛藤・認知不協和を解消すると、新しいことをやりたくなったり、今までやってきたことをやめたくなったり、今まで尻込みしていたことにチャレンジできるようになったり、日常の中で感じる気分が変わってきたり、興味を持つことが変わってきたり、日常生活での物事の優先順位が変わったり、自分の行動・考え方・あり方などが自然と変わります。

私1.0が、私2.0にバージョンアップされるわけです。

そして、私2.0になった時点で、自分の行動・考え方・あり方などは変わっているわけですから、この時点で改めて「制限のない未来」を描かせてみると、

・前よりもスケールの大きなことが描ける
・もっと沢山のことを未来に求めたくなる
・進みたい方向性がより明確な形になる

など、私1.0の時とは違ったことを思い描くものです。

「制限のない未来2.0」が生まれてくるのですね。夢が拡がる、という言い方が一番しっくり来るかもしれません。

4)私2.0と、制限のない未来2.0の間に生まれる抵抗・葛藤・認知不協和を解消して、私3.0を作る。

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制限のない未来2.0を作ると、また新たな抵抗・葛藤・認知不協和が生まれますので、これもきちんと解消してあげます。

そうすると、私3.0が生まれ、また自分の行動・考え方・あり方などが自然と変わります。

もちろん、私3.0に、制限のない未来を描かせてみると、また今までとは違ったことを考えることになるでしょう。

「制限のない未来3.0」が出現するわけです。

5)あとは繰り返し。

あとはひたすら繰り返しです。

制限のない未来を描く、
抵抗・葛藤・認知不協和を解消する、
新しい私が生まれる、
制限のない未来を改めて描いてみる、、、

こんなプロセスをぐるぐると回していくと、自分自身の行動・考え方・あり方などは
どんどん、かつ自然な形で変わっていきます。

これが、コーチングでやることの全体像です。

6)目的は「制限のない未来」を達成することではなく、抵抗・葛藤・認知不協和を解消し、自分の行動・考え方・あり方などを変えていくこと。

以前にも書きましたが、コーチングの一番の役割は「制限のない未来」を描いたまま達成させることではありません。

一番の狙いは、自分の行動・考え方・あり方などが、自然な形で変わっていき、自然と未来を切り拓けるようになっていくことです(もちろん、その変化は、制限のない未来が近づくような大きな方向性を持ったものです)。

「制限のない未来」は、抵抗・葛藤・認知不協和などを浮き上がらせて解消し、自分が変わるきっかけを作ってくれるツール、くらいに理解して頂くと良いでしょう。

また、この全体像の中で、一番難易度が高いのは「抵抗・葛藤・認知不協和を解消する」ところ。これがきちんとできないと、自分が変わることも困難ですし、時には大きなデメリットを引き起こしたりします。これについてはまた別の機会に。

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